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私が今まで書いてきた詩を掲載しています。 無いとは思いますが、無断転載(盗作)、複製等は禁止です。 閲覧者様の暇つぶしになれたら幸いです。

「蝶」
(2024年1月8日~1月9日作)

友だちの家に行くと
家の壁に蝶の標本が飾られていた
まるでジュエリーボックスのようにきれいだった
だけど、野の花の近くを
ひらひらと羽ばたく蝶のように
美しいとは言えなかった

自由を奪われ
命を奪われ
土へかえることも許されず
標本の蝶たちはガラスの中で
ミイラのように見世物になっている

本当はもっと花の蜜を吸いたかっただろう
春の風と踊りたかっただろう
もう一匹の蝶と共に子孫を残したかっただろう

友だちは蝶の標本を指さして
あれやこれやと自慢げに説明しているが
それらの言葉は僕の耳を素通りしていく
僕は話を聞いているふりをして
うん、うん、と頷くばかりで
かたく拳を握りしめていた
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