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私が今まで書いてきた詩を掲載しています。 無いとは思いますが、無断転載(盗作)、複製等は禁止です。 閲覧者様の暇つぶしになれたら幸いです。

「駅」
(2006年11月~2008年9月初旬作
  2025年11月25日・改)

ガタン
ゴトン
ガタン
ゴトン

電車が駅のホームに止まる

月曜日の朝
通勤ラッシュの頃の発車時刻は
毎週のように狂う

「十分遅れて運行しております」

駅員のアナウンスはくどくて、とても親切だ

舌打ちをするリクルートスーツの男
ひっきりなしに足踏みをする学生
澄ました顔で化粧をなおす女
誰もが「またか」「いつものことだ」と
言わんばかりで
「遅刻してしまいそう」
と、見知らぬ自殺者を咎めている

車掌は駆け込み乗車をする客に苛立ちながら
「出発進行」の合図をする

ガタン
ゴトン
ガタン
ゴトン

電車は走り出す
時間に追い立てられるように
窓が街を流す速度が次第に速くなっていく

ガタン
ゴトン
ガタン
ゴトン

重く冷たい車輪の上に
私たちは乗っている
憂いを背負っているのは
あの自殺者だけじゃない
憂いの重みに耐えかねて
ホームの端から落ちていく人は
数えきれないほどにいる

ガタン
ゴトン
ガタン
ゴトン

次が私にならないように
つり革をぎゅっと握り直す
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