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私が今まで書いてきた詩を掲載しています。 無いとは思いますが、無断転載(盗作)、複製等は禁止です。 閲覧者様の暇つぶしになれたら幸いです。

みんなの空

「みんなの空」
(2020年4月7日作)


人々は忙しい
急いで出かける支度をして
通勤・通学のために足早に駅に向かう
空は澄んで透き通っているけれど
朝の空を楽しむのは
どうやらスズメだけらしい
チュンチュン高らかに鳴きながら
大空を羽ばたいていく


幼い子らは帰宅する時間
友だちと帰る道すがら
空に浮かぶ雲に指をさす
「あれはゾウだ」
「あれはキリンだ」
昼の空で遊ぶのは
どうやら子どもだけらしい
飛行機雲が見えた日には
子どもたちはますます目を輝かせる


やわらかなソファに座る老婆
読みかけの本を閉じて
窓から夕暮れの空を眺めている
だいだい色の空に
群れを成してねぐらへ飛んでいくカラス
夕方の空を絵画にするのは
もしかするとこの老婆だけかもしれない
どことなく寂しいけれど
ノスタルジックな一枚の絵


寒空の下 息を吐く少女
かじかんだ両手を胸の前で組み
満天の空を熱心に見つめている
星になった愛しい人を想いながら
石像のように微動だにせず祈り続けている
夜の空に亡き人を思い浮かべるのは
ひょっとしたらこの少女だけかもしれない
流れ星に叶わぬ願いを捧げる人は
この少女や私だけでなく
きっと大勢いるだろう
――あなたも その一人だろうか?

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