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私が今まで書いてきた詩を掲載しています。 無いとは思いますが、無断転載(盗作)、複製等は禁止です。 閲覧者様の暇つぶしになれたら幸いです。

空色の瞳

「空色の瞳」
(2020年10月1日作)

食卓の皿をふちどるミニトマトを見たら
ふと思い出す
あなたが、その野菜をを嫌っていたことを

ショッピングモールの中のアクセサリー屋にいたら
ふと思い出す
あなたがアクアマリンのペンダントを
気に入っていたことを

日常の何気ないひとかけらを
全てあなたに結びつけてしまう

今でもまだ信じられない
今でもまだ馴染むことができない
あなたの欠けた未完成のこの世界

お花見をしたくても
一緒にお弁当を食べる人がいない
お月見をしたくても
一緒にお団子を食べる人がいない
テレビをつけたって
幸せそうなカップルや家族が映れば
息がつまって 胸が痛む

今になってもまだあなたの気配を感じる
風をはらんだカーテンの向こうに
あなたがいるような気がして
インターフォンが鳴れば
ドアの向こうに
あなたがいるような気がして――

空の上に天国があると
昔からみんなが言うものだから
今の私は空ばかり見上げて過ごしている
遠いあなたに少しでも近づきたいから
私の瞳は空の色
流れる涙も
髪の毛の先 爪の先まで
私は空の色に染まっていく
あなたの色に染まっていく
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