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私が今まで書いてきた詩を掲載しています。 無いとは思いますが、無断転載(盗作)、複製等は禁止です。 閲覧者様の暇つぶしになれたら幸いです。

まぼろし

「まぼろし」(2023年2月14日作)

小さな船に乗りこんで
青い海の沖のほうへ向かっていく
潮風が、あなたの指先のように私の頬や髪を撫でる
ざらついた白い骨の粉と小さな花束を
船の上から散らしていく

これで本当にさよならだ
あなたとはもうさよならなんだね

ふと空を見上げると
分厚い雲の隙間から
日の光がスポットライトのように海を照らしていた
「天使のはしご」だ

食い入るように、その輝くはしごを見つめた
はしごを元気によじ登るあなたの背中を見た
名を呼べば、一度だけ振り向いて
私にきらめく笑顔をくれた

「天使のはしご」を見られた人は
幸せになれるって誰かが言っていた
そうだ 私は幸せ者だ
あなたと出会えたことこそが
私の人生で最高の幸福だ

私の肩を抱く思い出が、ほんのりとあたたかい
私はもう立っていることすらできなくなって
ただひたすら涙が止まらなかった
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食事

「食事」(2009年9月~12月作・2018年7月リメイク)

生きようとしない心が
皿の上のパンを拒む
生きようとする体が
パンを口の中に詰め込む
生きようとしない心が
パンを吐き戻す
生きようとする体が
涙し身悶える
生きようとしない私が
パンを無言で見つめている
生きようとする私の意識が
じっと静かに私を見下ろしている

ブーケ

「ブーケ」(2003年7月~12月頃作)

空に弧を描いたブーケが
私の胸へとおさまった
美しく着飾ったあなたは
フラワーシャワーの中
幸せに満ちた笑みを向けた

大切な大切なあなた
素晴らしい巡り合いに
私は世界の全てにひれ伏したい

大切な大切なあなた
愛しい人と腕を組み
まばゆいひだまりの中に二人

どうかその笑みが曇ることがないように
私は祈り続けよう

隠しきれない涙を
嬉し泣きと偽って
ごめんなさい

おめでとうと繰り返すのに
悲しみに暮れる私を
許してください

甘い花束に顔をうずめて
わきあがる歓声から一瞬遠ざかる

あなたを
愛していました

幸福

「幸福」(2003年2月~7月頃作)

ひとつを二人でわけるというだけの
小さな幸せが私を満たす
例えばこんな半分のりんごさえも

おやすみなさい

「おやすみなさい」(2008年9月作)

眠りは
神さまからの最高の贈り物
命あるものへ与えられた
極上のやすらぎ

狩りに疲れたライオンの上に
子どもを産んだ牛の上に
路上で酔いつぶれたサラリーマンの上に
ロッキングチェアを揺らす老婆の上に
せっけんの匂いに包まれた少年少女たちの上に
眠りの星は
やさしく降り積もる

失恋に泣いてメイクを崩した女の上にも
監獄で手紙を読み返す囚人の上にも
天使たちは
眠りの星を
誰にも等しく振りまいていく

まぶたが今日を閉幕する
おやすみなさい
また あした

一日に一度与えられる
神さまからの贈り物