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私が今まで書いてきた詩を掲載しています。 無いとは思いますが、無断転載(盗作)、複製等は禁止です。 閲覧者様の暇つぶしになれたら幸いです。

捕縛

「捕縛」
 (2026年4月29日作)

私はあなたの心に
蔦を張り巡らせる
中毒性の高い酒のように
あなたはハイになる

私はあなたの記憶に
しっかりと根を張る
依存性の高い薬のように
あなたは灰になる

私なしでは生きていけないように
一生忘れられないように
あなたの鼓動の一部になるのだ
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収録

「収録」
 (2026年4月23日作)

ベランダで育てていた花が
いつの間にか咲いていた
一度写真に収めて
もう一度写真を撮るぞと思っていたら
いつの間にか枯れていた

花は気長に私を待ってはくれない
花はいつまでもみずみずしいままでいてくれない
人間だって同じで
明日会えるという保証はない
明後日も一緒にいられるとは限らない
永遠に続く日常なんてない

だから花が満開のうちに
存分に花を愛でて
心の中にあるカメラを
これでもかというくらい連写していたい

幸福

「幸福」
 (2026年4月17日作)

あえて施錠のされていない重いドアを開ければ
ふわりと夕食の匂い
笑顔の母が
「おかえり」
と、私を出迎えてくれる
テーブルの上では
私の大好物のグラタンがゆげを上げている

二人で食卓を囲む時間
これほど贅沢なときがあるだろうか
いつもと変わりない木製のイスとテーブル
いつもと変わりない白熱灯のあたたかい色
いつもと変わりない母お手製のグラタンの味
いつもと変わりない楽しそうに話をする母

私になじんだこの風景を
これからも何度も味わいたい
私の愛するこのひとときが
これからもずっと続いてほしい
ささやかに見えて
本当はとてもかけがえのない母との暮らし
どうか
これからもずっと続いてほしい

なきごえ

「なきごえ」
 (2026年4月2日作)

職場のフロアの真ん中にある
おんぼろのシュレッダーは
ときどき泣いている

たくさんの不要な書類を
飲み下した後で
キィキィと小さな声で泣いている

こき使われて疲れたか
長い年月無理をしてきたか

たまにストを起こすそのシュレッダーは
シュレッダーなりの反抗を
試みているのかもしれない

声音

「声音」
 (2026年4月2日作)

両耳をイヤホンでふさぎ
適当に音楽を聴いているのは
かき鳴らされる静寂が
あまりにもうるさいからだ

気まぐれにシンクに落ちる
水道の蛇口からの水滴の音
絶え間なく室内に響く
冷蔵庫の低く無機質な音
部屋の壁にかけたままの
時代遅れの時計の秒針の音

耳障りな静寂の音

耳をつたって脳に流しこむ音楽は
なんだってよかった
馴染みの邦楽でも
流行りの洋楽でも
なんでもいいから音を楽しむふりをしていた

そうでもしないと耐えられなかった
一番聴きたい音は
もう二度と聴くことができない

一度だけでいい
もう一度この耳で聴かせて
イヤホンを外して耳を澄ませる
あなたの声を
もう一度聴きたい