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私が今まで書いてきた詩を掲載しています。 無いとは思いますが、無断転載(盗作)、複製等は禁止です。 閲覧者様の暇つぶしになれたら幸いです。

流星群の夜

「流星群の夜」(2004年作)
 
夜空が
大粒の涙を
次から次につたわせる
 
その度に小さな人々は
あっと声をあげるものの
誰も
それを拭えることはない
 
天体望遠鏡を外に持ち出して
時計と夜空にかわるがわる目をやって
いまか いまか 
夜空が泣くときを待っている
 
星たちが燃えつきていく
人々は楽し気に指をさす
星たちが消えていく
人々はどっと歓声をあげる
星たちが死んでいく
人々は拍手をおくる
 
肩を寄せ合う恋人たちは
「ロマンチックね」
うっとりとする
まばたきを忘れた親子たちは
「ほらほら、あそこ」
大さわぎする
 
宇宙は息をひそめ
星々の弔いをする
夜空は
またひとつ涙をこぼし
人々はサーカスの観客になる
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体温

「体温」(2005年作・2007年リメイク)
 
小雨の粒を髪に飾り
車のドアを片手で開けた
埃の湿っぽい匂いが
猛烈なクーラーでかきたてられる
 
私は父を抱えて座る
幼い私を父が抱えてくれたときのように
二人で助手席に座る
膝の上の箱の中で
車体とともに揺れる骨壺
 
壺が重いのか
骨が重いのか
重くてとても軽い箱
 
運転席を見やれば
叔父が手際よくハンドルをきっている
指の形とか笑い方とか顔のつくりや声が
どことなく父と似ている
 
わたしをドライブに連れて行ってくれるのは
いつだってお父さんだったのに
 
焼いた骨の熱が
膝にまで伝わってくる
まるで体温のようにあたたかい
 
窓ガラスにかじりついて
通り過ぎていく街を見つめる
のん気に歩いている父を
見つけられるような気がする
まだ この世界のどこかで
生きている気がする
 
膝に伝わる熱は
まるで
体温のようにあたたかい
 
幼い私をお父さんが
抱えてくれたときのように