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私が今まで書いてきた詩を掲載しています。 無いとは思いますが、無断転載(盗作)、複製等は禁止です。 閲覧者様の暇つぶしになれたら幸いです。

修復

「修復」(2008年9月~2009年8月頃)

ブルースクリーンが表示されて
強制終了されたカラダ
再起動を試みるも
すぐにフリーズ
寝床から起き上がれない

CPU100を超過したまま
パソコンをフル稼働させていれば
そりゃあ落ちますよ と
苦笑いするパソコンの修理屋の店主
私を診る心療内科の医師の表情と同じ

元通り動くようになりますか
と、聞けば
さぁ と気のない返事

バッテリーが消耗しているね
取り替えたら少しはましになるかも

アドバイスに従って
メモリを増設してもらい
バッテリーも新しいものにする

工具でいじりまわされるパソコンに
羨望の眼差しを送る
いいな
機械は単純で
人の心は複雑怪奇
許容量の拡張も
精神力の向上も
ものの五分で完了できるものではない

はい 終わったよ

修理代を支払う段階で思わず保険証を出しそうになる

壊れているものは
まだここにある
治したいものは
まだここにある

元通り動くようになりますか
私は医師の目を通し
自分の中に問いかける
さぁ と力のない返事

ためらいがちに人差し指が
パソコンの電源のボタンを押す
真っ暗な画面がぱっと光を放ち
パソコンは快調に起動し始める
デスクトップの壁紙とアイコンが
無事表示され
安堵の溜息をこぼす

大丈夫
確かな手応え
きっと修復できる

手の中に包みこんだマウスを
カチカチ鳴らし
ゆっくりとダブルクリックをした
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まぼろし

「まぼろし」(2023年2月14日作)

小さな船に乗りこんで
青い海の沖のほうへ向かっていく
潮風が、あなたの指先のように私の頬や髪を撫でる
ざらついた白い骨の粉と小さな花束を
船の上から散らしていく

これで本当にさよならだ
あなたとはもうさよならなんだね

ふと空を見上げると
分厚い雲の隙間から
日の光がスポットライトのように海を照らしていた
「天使のはしご」だ

食い入るように、その輝くはしごを見つめた
はしごを元気によじ登るあなたの背中を見た
名を呼べば、一度だけ振り向いて
私にきらめく笑顔をくれた

「天使のはしご」を見られた人は
幸せになれるって誰かが言っていた
そうだ 私は幸せ者だ
あなたと出会えたことこそが
私の人生で最高の幸福だ

私の肩を抱く思い出が、ほんのりとあたたかい
私はもう立っていることすらできなくなって
ただひたすら涙が止まらなかった

食事

「食事」(2009年9月~12月作・2018年7月リメイク)

生きようとしない心が
皿の上のパンを拒む
生きようとする体が
パンを口の中に詰め込む
生きようとしない心が
パンを吐き戻す
生きようとする体が
涙し身悶える
生きようとしない私が
パンを無言で見つめている
生きようとする私の意識が
じっと静かに私を見下ろしている

ブーケ

「ブーケ」(2003年7月~12月頃作)

空に弧を描いたブーケが
私の胸へとおさまった
美しく着飾ったあなたは
フラワーシャワーの中
幸せに満ちた笑みを向けた

大切な大切なあなた
素晴らしい巡り合いに
私は世界の全てにひれ伏したい

大切な大切なあなた
愛しい人と腕を組み
まばゆいひだまりの中に二人

どうかその笑みが曇ることがないように
私は祈り続けよう

隠しきれない涙を
嬉し泣きと偽って
ごめんなさい

おめでとうと繰り返すのに
悲しみに暮れる私を
許してください

甘い花束に顔をうずめて
わきあがる歓声から一瞬遠ざかる

あなたを
愛していました

幸福

「幸福」(2003年2月~7月頃作)

ひとつを二人でわけるというだけの
小さな幸せが私を満たす
例えばこんな半分のりんごさえも