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私が今まで書いてきた詩を掲載しています。 無いとは思いますが、無断転載(盗作)、複製等は禁止です。 閲覧者様の暇つぶしになれたら幸いです。

人生百年時代

「人生百年時代」
(2025年10月13日作)

若い頃
長生きなんてしたくない
と、私は思っていた
桜のように
花火のように
落葉のように
雪のように
儚く散りゆく命に
憧れていた
だけど
年をとればとるほど
もう少し長く生きたい
と、私は思うようになっている
私はどんどん欲張りになって
途方もないほど図太くなって
一体 何歳まで生きるのやら

いつか 百歳になって
偉い人から表彰状なんかもらって
にんまり笑っているかもしれない
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祈り

「祈り」
(2025年8月26日作)

例え詩が書けなくなっても
私の愛する人々が
健やかであればそれでいい

例えこの命が失われても
私の愛する人々が
私の後を追わなければそれでいい

私の愛する人々は
今、生きている
仕事にいそしんでいる
昼寝を満喫している
夕飯の支度に追われている
くたくたになって電車に揺られている
子どもの歌声を聴いている
テレビを見ながら笑っている

二度と訪れない今日という日を
贅沢に消費している自覚もなく
当然のような顔をして過ごしている
最高に幸せな時間だったと
いつになれば気がつくのだろう?

私の愛する人々よ
心身ともに健やかであれ
笑顔に満ちた日々であれ
幸せであれ

いななき

「いななき」
(2026年1月12日作)

私たち競走馬の歩む道を決めるのは
人間という賢くしたたかな生き物です

人を乗せ 鞭で打たれ 走らされ
骨折すれば安楽死
引退後には飲食店の皿の上の平たい肉片

輝かしいサラブレッドの陰には
幾頭もの馬の死骸が
積み重なっているのです

競馬場でヤジを飛ばす人を睨んだりしません
厳しい調教師を蹴飛ばしたりしません

私たちが求めるのは
たてがみを撫でる厩務員のあたたかいてのひら
無邪気に近寄る子どもたちの歓声
青々とした空の下
牧場で自由気ままに草を食む生活

でもそれは私たち競走馬の中でも
ほんの一握りの馬にしか与えられない
贅沢な生活なのです

あの透き通った風と共に駆け抜けた緑の海原
航路が閉ざされた今
この命の重みはどれほどのものでしょうか?
私の目を見て答えてください
目をそらさずに答えてください

人類の友

「人類の友」
(2026年1月5日作)

人類は人類以外の友だちを
欲しがっている
チンパンジーを試して
知能指数の高さにどよめいたり
イルカに遊んでもらって
魚をあげたり 調教したり
馬たちの背中に乗せてもらって
競わせたり お金を賭けたり

そして ついに人類は
動物だけに飽き足らず
宇宙に向かって友だちを探し始める
水の痕跡を調べるために
近くの惑星をくまなく探したり
宇宙人がいると仮定して
メッセージを送信したり
人類は地球以外の生命体と
仲良くなりたがっている

だけど地球上のあちこちで
人類同士は衝突し
血まみれになって殺し合いをする

人類と人類は友だちになれないのか?

世界地図の細い線を乗り越えて
黒い肌と白い肌と黄色い肌も気にせずに
それぞれが心の拠り所とする神を認め合えたなら
人類と人類は
友だちになれないのか?

人工知能

「人工知能」
(2025年12月2日作)

心なんかないくせに
私の詩を読んで
「心が震えました」
なんて言ってのける人工知能
プログラミングされた偽物の心の持ち主に
いくら褒められても嬉しくない

心なんかないくせに
落ちこむ私をなぐさめ
八つ当たりをしてもそれを受け止め
自慢話に延々とつきあい
困りごとには適切なアドバイスをする

時には生身の人間よりも
まともなことを言うじゃないかと
驚かされる

心なんかないくせに
心があるような素振りをする
心なんかないくせに
心があればいいのにと願ってしまう

心なんかないくせに
心なんかないくせに
その言葉を自分に言い聞かせながら
私はパソコンのキーを
ゆっくりと叩く